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LEDバレイ構想インタビュー

「世界最先端の研究機関へ」徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部 工学部光応用光学科教授 福井萬壽夫氏

LEDバレイ構想について

 LEDの開発・応用に関して、徳島は、世界的なLED製品製造企業、学術的蓄積がある大学等教育研究期間が存在することから圧倒的な優位さがあります。このことから、平成9年に四国全体を対象に、企業と大学等教育研究機関によるLEDネットワークを立ち上げることにより、企業の集積を図り、産業振興に寄与しようとしましたが、行政機関が入っていなかったことなど、いろいろな事情で実現できませんでした。
 今回は行政がリーダーシップをとって構想を策定し、企業や教育機関も構想をサポートできる体制になっています。条件は全部整っています。
 最初は構想が実現するかどうか疑問でした。しかし、策定後の動きを見るとやる気を感じます。知事を前面に出し、いろいろなところに出向いて宣伝し、実質的に誘致を成功させています。以前の状況のままではかぎりなく0パーセントに近い展望でしたが、今は30、40パーセントぐらいに上がってきたかな。やる気を出してやってくれてると感じています。
 2010年を目標として、世界のLED地域になれるよう最先端のものをいろいろな形で発信できたらいいなと考えています。

現在、経済団体や県民等の間で、LEDに対する期待が高まっているが、研究者として、それはどういう風に映ってますか。

 すごくいいことだと思います。たとえば一般の人で、液晶を使って応用製品の開発するのは非常に難しいです。ところがLEDは基本的に照明ですから、一般の人もとっつきやすくて、いろいろとアイデアをだしやすい。これは、県全体でやっていくに当たってものすごいメリットになっています。理屈だけでなく、わかりやすさ、楽しさ、そういうものも大事です。だから、そういう面で、フェスティバルみたいな形でこれをうまく利用すれば県全体を高揚できると思います。
 一方で、LEDというものは開発していくうえで簡単なものではありません。そういう面ではしっかりとした核となる企業があること、大学、高専が優秀な人材を送り出し、きちんとしたLED等の学問的裏づけを常にサポートしていくということが必要となります。そういう環境が、徳島県にはあります。

構想における企業の役割

 日亜化学工業のような大企業と中小企業では役割が違います。日亜の場合は、この構想を進めていく上でプロトタイプになるような技術製品を積極的に構想の中で先へ先へと提供して頂く役割を担ってもらうといいし、構想が成功するひとつのポイントとなります。
 中小企業は、構想を実現する上で、日亜化学工業の方から、また、大学、高専等からのてこ入れが必要です。一番の問題は、大学を卒業した人が中小企業へ入ったときに辞めてしまう場合が多いということ。一部の中小企業では研究者として入社しても、技術開発以外の様々な業務を技術者自身で行う必要があり、本当の意味での技術開発が出来ない。つまり技術開発する上での環境ができていないという問題があります。この問題の解決には行政の役割は大きい。また、大学においては、技術者の再教育の場を設け、技術スキルの向上等を行う必要があります。
 中小企業の方も、技術開発を行う環境を整えて、自社の技術開発力を強化することが企業の成長に繋がるという視点を持って構想に参加してほしい。日亜化学、大学、中小企業それぞれが発展しなければ意味がありません。

■プロフィール

福井萬壽夫(ふくい ますお)

徳島大学大学院ソシオテクノサイエンス研究部
工学部光応用工学科 教授

工学博士(名古屋大学)(1972年3月)

専門分野 光物性,光計測,光電子工学

研究概要 
球と光の相互作用, フォトニック結晶を用いた光デバイス開発, 非線形光学効果に基づく光デバイス開発, ナノスケール領域観測用の光計測装置開発, 表面電磁波の物性 (微小球, フォトニック結晶, 非線形光学効果, 近接場光学, 光熱分光法, 表面ポラリトン)

バレイ構想との関わり
LEDバレイ構想策定検討委員会の委員長として、LEDバレイ構想の策定に関わり、現在はLEDバレイ構想推進協議会産業振興部会の会長として構想推進に取り組んでいます。

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