LEDバレイ構想インタビュー

「光を創り、そしてコントロールする」「常に拡大・挑戦に向かって走り続けることが、存在価値につながる」日亜化学工業株式会社 取締役副社長 田崎登氏

LED産業動向について

 LED産業に関する市場規模は、2010年には1兆円近くになるでしょう。2005年〜2010年には車載用として、2010年以降は一般照明用として普及すると予測されています。車載用に関しては、容易に想像できるかと思いますが、照明に関しては現段階ではまだまだ普及していません。照明はアクセサリーライト、フラッシュライト、自転車、特殊ライト、建築照明などのように、小型特殊ライトから一般照明へ拡大していくと考えられます。また、白色LEDの性能・価格の推移ですが1996年を基準とすると、2006年現在では発光効率20倍(5lm/W→100lm/W)、出力375倍(0.4lm/PKG→150lm/PKG)、価格0.1倍(3φ砲弾型の価格)となっており、性能は急速に進歩しています。さらに、価格については海外製品の流通により価格下落に拍車をかけています。

LEDバレイ構想について

 どの産業についてもあてはまるかと思いますが、LED産業の成長には時間が必要だと思います。人間の成長と同じであり、何事にも過程があるということです。今回の構想に関して、マスコミ等でもよく取り上げられていますが、そのような一時的な流行ではなく、目に付かないで深く浸透しているものが真に認められたものであり、同構想にはそういう視点が大事になると思います。たとえば、目に見えるが実際には人が議論しないところで需要がある可能性もあります。同構想を成功させるには、短絡的で一過性のものではなく、継続し息の長いものにしていかなければならないでしょう。

構想における当社の位置づけ

 LED、LD等の光半導体デバイスの開発・製造を行っている当社としては、同構想の中核企業として今後役目を果たしていくことは当然の義務だと思っています。トップランナーの当社が誘引となり結果として産業の集積に繋がればと思います。そのため、中核企業として当社は世界的な技術開発競争、コスト競争に打ち勝っていく必要があり、それこそが当社の責務だと考えています。これが出来なければ同構想は成り立たないでしょう。しかし、技術開発競争、コスト競争は日進月歩の世界です。そのため、今までのような「光を創る(デバイス生産)」だけではなく、今後は「光を操る(応用製品)」ことが求められ、応用製品の開発にも注力する必要があります。また、世界的な競争に打ち勝つためには、同時に技術や人材の流出を防ぎ、知的財産を守り、活用していく体制を強化していかなければなりません。

行政、大学等教育機関の役割

 同構想において行政の役割は推進塔であり、知事が先頭に立ち県全体の気運を醸成し、各種施策を展開していくことが重要だと思います。継続した施策展開が将来的に産業の育成、集積にも繋がると考えられます。また、大学等教育機関の使命は、良い研究が出来る環境を創り、人材の集積を図り、そして育成に努めることだと思います。今春から、徳島大学フロンティア研究センター内に当社による寄付講座を設けていますが、将来を見据えた投資という側面だけではなく、その根本には最先端技術の研究により人材を集め、育成するという意味が込められています。

■プロフィール

田崎 登(たざき・のぼる)

日亜化学工業株式会社 取締役副社長

学歴   1964年3月
早稲田大学商学部卒業
略歴   1964年4月
三菱化成株式会社入社
1996年1月
イノマイクロ株式会社
(半導体部品商社)入社
1999年4月
日亜化学工業株式会社入社
同社 第二部門営業本部副本部長
1999年9月
日亜光デバイス株式会社 取締役就任
2000年10月
日亜化学工業株式会社 第二部門 事業長
2001年1月
同社 第二部門 部門長
2001年3月
同社 常務取締役 第二部門 部門長
2002年3月
同社 専務取締役 第二部門 部門長
兼 総合部門副部門長(知的財産担当を含む)
2004年3月
同社 取締役副社長 第二部門 部門長
2005年5月
同社 取締役副社長 兼 第二部門部門長   兼 総合部門副部門長

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